子宮内膜症の注意点

子宮をもつ女性ならではの疾患、子宮内膜症。激しい下腹部痛をともなったり、不妊になる危険性が高くなるにもかかわらず、未だ正しい知識が浸透していない病気です。

一昔前とは違い、現代の日本では子宮内膜症の患者数は増加の一途をたどっています。正しい知識をもって、早期発見と適切な処置に努めるようにしましょう。

子宮内膜症に関して、もっとも注意しなければならないのは、その治療についてです。

子宮内膜症は、一度薬物療法をすればOK、手術をすればOK、という病気ではありません。

成り立ちが複雑で、そもそもはっきりとした原因すら分かっていない疾患ですから、長期の治療を覚悟する必要があります。

手術をしたから、少し良くなってきたからといって途中で治療や生活改善をやめてしまうと、再び子宮内膜症が大きくなってしまう可能性があります。

子宮内膜症はまた、完治したとしても再発の確率が極めて高い病気としても知られているのです。

大きな手術や集中的な薬物投与がおわったあとでも、二ヶ月に一度は必ず定期健診を受けることを心がけましょう。

早期に発見できればその分、治療も改善もたやすくなります。

不妊と子宮内膜症の関係

二十代から四十代の、特に妊娠経験のない人に起こりやすいとされている病気、子宮内膜症。

発症すると、生理痛や性交痛を始めとして下腹部に激しい痛みを感じるだけでなく、不妊になりやすいとも言われています。

子宮内膜症の病巣が、卵管や卵巣、子宮、腸管といった部位と癒着を起こして精子や受精卵の通過を阻害するためなのだそうです。

しかし昨今では、こういった理由のほかに、免疫系の理由も浮上してきており、はっきりとした理由が明らかになっているわけではありません。

分からないといえば、子宮内膜症が発症する原因も、明らかになってはいません。

いくつか考えられることはありますが、未だ完全な原因も治療法も見つかっていないのが現実です。

そのため、子宮内膜症になると根本的な療法というよりは痛みを緩和するための薬物療法が行われることが多いのですが、そのときに使用する薬物によって、一時的に生理がストップするという副作用があります。

当然ながら、その間は妊娠することはできません。こういった事実によって子宮内膜症=不妊というイメージがついてしまっているとも考えられます。

しかしながら、実際に子宮内膜症が理由で不妊になっている人は患者の約半数なんだとか。自然妊娠の可能性が全くないというわけではありません。

子宮内膜症の症状

女性なら、必ず知っておきたいのが子宮内膜症に関する知識です。

日頃から子宮に対して関心が低く、何だか調子が悪いな、という日々を続けている内に子宮内膜症が悪化していたという例は少なくありません。

そこでここでは、子宮内膜症に伴う症状をいくつかご紹介します。思い当たる節があったら、放って置かずにすぐに婦人科を受診しましょう。

子宮内膜症の症状として代表的なのは、痛みです。一番多いのが、生理痛。

生理時に下腹部が痛くなる女性は多いので深刻に考えない人がほとんどなようですが、薬を飲まなければならないほど痛む、生理のたびに痛みが増している気がすると言う人は、子宮内膜症の恐れがあります。

排便の際に痛みを感じる人も要注意です。

子宮内膜症の病巣が腸と癒着し、肛門の奥に痛みを感じる場合があると知っておきましょう。

また、子宮と直腸の隙間に病巣があると、セックスの際に痛みを感じることがあります。膣の奥が痛いようだったら子宮内膜症の危険性があります。

ほか、痛みではなくても、生理中に吐き気や下痢が起こる場合、また生理による出血がレバー状のかたまりだったり、量が多すぎる場合も子宮内膜症もしくは子宮内膜症によく似た病気である可能性が高くなります。

子宮内膜症と子宮全摘出

子宮内膜症は、二十代から四十代にある女性の十人に一人がかかるといわれている病気です。

決して珍しくはないのですが、はっきりとした原因が分かっていないこと、ゆえに治療法も確定していないこと、また激しい下腹部痛を伴うこと、不妊の可能性が高くなることなどから、一部の人に起こる特殊な病気という認識もまだあるようです。

女性であれば他人事だと思わず、正しい知識を仕入れておきたいものです。

知識がないゆえに子宮内膜症を放置しておいて、悪化してから気づき、子宮を全摘出しなければならなくなったケースも、少なくありません。

子宮内膜症の病巣焼灼だけでは改善が見込めなかったり、過度の生理痛が続くようであれば、そういったことも起こりえます。

子宮の外にも病巣が出来てしまった場合、両卵巣を摘出しなければ、痛みなどがますます酷くなっていくことが考えられるのです。

ただし両卵巣を摘出してしまった場合、それにともなって更年期障害が起こるので、その対策をこうじる必要がでてきます。

そのため、実際に両卵巣をとってしまう、子宮を全嫡出してしまう例は、閉経間際の女性に多いようです。

子宮内膜症と東洋医学

二十代から四十代の女性の、十人に一人はなると言われている子宮内膜症。

生理痛や不妊を招きやすい病気なので、早期の発見と治療が何よりも大切になります。

東洋医学では、子宮内膜症は、極度の冷えや血の巡りの悪さが関連して発症すると考えられています。

冷房にあたりすぎたり、冬場に薄着をしていたり、冷たいものを食べ過ぎたり運動不足だったりストレスを溜め込んでいると、子宮内膜症が起こり、腹部や足の痛みなどが表面化してくると言われています。

そのため、当帰四逆加呉茱萸生姜湯や桂枝茯苓丸、桃核承気湯といった、体を温めて血のめぐりをよくするような漢方薬が処方されることになります。

それに加え、隔日で鍼灸などを施し、下腹部を中心に体全体を温めてめぐりをよくするような治療が行われます。

ただし、子宮内膜症においては現在、ホルモン剤による治療がもっとも効果的とされていますから、そういった西洋医学のサポートとしてこれら東洋医学の治療法を組み合わせていくのが良いでしょう。

日々の生活でも、なるべく運動をし、冷たいものの摂取を控え、半身浴をして体を温めるといった東洋医学的なアプローチを取り入れることによって、子宮内膜症の改善は早まります。

子宮内膜症にかかる治療費

子宮内膜症と診断された場合、それが早期で比較的軽い症状であれば、薬物療法のみで治療が可能です。

ホルモン剤を用い、人為的に女性ホルモンを抑制するこの治療法では、内膜を小さくさせることができます。

その代わり、更年期障害に似た症状が出たり、生理が止まって妊娠できない状態になってしまうという副作用がありますが、体への負担は少なめです。治療費もそれほどかかりません。

もう少し進行すると、手術を受けることになります。腹腔鏡手術と呼ばれるそれは、子宮全体を除去することなく、不要な内膜を取り除くことが出来ます。

開腹の必要もありません。費用は十万円前後が一般的です。

もっと進行してしまうと、今度は開腹を伴う、メスを入れる外科手術になりますので、体への負担は多くなります。

しかし費用としては腹腔鏡手術と大差なく、十万円前後が相場です。

実際には、開腹を伴う手術だと前後数日の入院が余儀なくされるため、入院費や食事代などが加味されて、トータルで三十万円前後の用意が必要になってきます。

また、人によっては術前術後の薬代、副作用を抑える薬代などがプラスされてもくるようです。

どちらも10万円前後が相場です。違ってくるのは入院日数による差です。

開腹手術の場合は、当然入院日数が長くなるので食事面やその他の金額が加算されます。

一般的に30万円前後は必要と言われています。

ただし医療保険など個人で加入していればお金が出るでしょうから、実際は全額負担ということは考えられません。

でも開腹手術は、体に負担がかかるものでメスを入れるのですから、決して良いものではありません。できれば避けたいですよね。

体の負担や子宮内膜症の手術費用を抑えたいのであれば、やはり早期発見しかありません。

定期的に婦人科の診察を受けることが子宮内膜症の早期発見、早期治療につながります

子宮内膜症に良い食べ物

かつてはそれほどではなかったのに、現代の日本において、その患者数を増やし続けている病気、子宮内膜症。本来なら子宮の内側にある子宮内膜が、子宮の外などで増殖、剥離、癒着を起こしてしまう女性ならではの疾患です。

激しい下腹部痛や不妊の原因になりやすいといわれていますが、それが起こる明確な理由や歴然とした治療法がまだ分からず、それゆえに多くの女性を苦しませている病気なのです。

しかし、東洋医学的な観点によれば、生活習慣や食べ物を変えることによってその症状を和らげたり改善に向かうことも無理ではないと言われています。

基本は、体を温めるものを食べること。サラダやアイスクリームよりも、蒸し野菜や黒糖をいただきましょう。

体が冷えれば血のめぐりが悪くなり、生理がスムーズに行かなくなります。また、子宮は硬く縮こまりやすい器官です。ゆるめる性質のある食べ物を摂取するといいでしょう。

硬く焼きしめたパンではなく、柔らかく炊いたご飯、しっかりと焼いた肉よりふくふくと煮た豆類をいただくのがおすすめです。

また、かぼちゃ、きゃべつ、ブロッコリーといった丸みを帯びた形の野菜は、子宮の炎症を穏かに鎮めてくれます。

子宮内膜症者を避けるための生活改善

はっきりとした原因が分かっていない子宮内膜症。そのため、これといった治療法がないのが残念なところです。

しかし、東洋医学においては、子宮内膜症は冷えとめぐりの悪さから来ていると考えられています。

もしも子宮内膜症になってしまったら、日常生活では極力体を冷やさないようにして、体液のめぐりを促すことを心がけるようにしたいものです。

生活改善の第一歩としては、体を温めることがあげられます。冷えは万病の元であり、子宮内膜症に限らず避けたい状態の一つです。

冷たいものは控え、冷房にあたりすぎないように気をつけてください。服装は常に重ね着。

特に頭寒足熱で、足元をたくさん重ねると体全体の温めに効果的です。間違っても素足にミュール、ミニスカートといった格好はしないように。天然繊維の五本指靴下がおすすめです。

腹巻やカイロも忘れずに。入浴も、体を温め、体液のめぐりを促すのに効果的な方法の一つです。

胸から下だけぬるま湯につける半身浴は、じっくりと体の奥から温まることができるのでいいです。足湯や腰湯も効果的です。生理痛も楽になります。

全身に酸素を取り入れるような運動も子宮内膜症には効果的。激しすぎるとかえって体に負担がかかりますので、少し息があがって顔の血色が良くなる程度を目安にしましょう。

女性医療の探求、日本子宮内膜症協

生涯を通じて、心身ともに健やかに生きられるようにすることは、男性女性問わず大切な課題です。

そのことに着目し、特に女性の側に立って女性の生き方、健康状態について絶えず関心を払い、女性医療の探求に努める団体が、日本にはいくつか存在しています。

その代表的な例が、非営利組織の日本子宮内膜症協会です。

日本子宮内膜症協会では、未だ原因も明確な改善法も分かっていない子宮内膜症をはじめとする女性ならではの疾患に主眼をおき、それらの疾患に対する医療の情報を収集・提供、場合によっては改善活動を行う団体です。

昨今では1相性低用量ピル保険適用事業の推進などを行っており、テレビやラジオといったマスコミに出演しての発言も話題を呼んでいます。

性と健康を考える女性専門家の会は、女性医療の実態に対する疑問や不信を世間に訴え、少しでもよい状況に改善していこうと努めている団体です。

低用量ピルの認可問題を発端として発足されたこの団体は、女性議員や日本産婦人科学会、新聞への働きかけを懸命に行い、資料集やガイドブックなども作成して、多くの女性たちがよりよい医療を受けられるように駆け回ってくれています。

日本子宮内膜症協会の活動

日本子宮内膜症協会とは、子宮内膜症の女性患者をサポートし、子宮内膜症医療をはじめとしたより良い女性医療を探求している非営利団体の名称です。

サポーター制をとり、子宮内膜症患者ほか医療者など=サポーターからの寄付を元に、活動を行っています。

以前とっていた会員制をやめてからはその資金は目減りする一方で厳しい経済状況ではありますが、その中において少しでも子宮内膜症医療の改善が叶うようにと、さまざまな活動を繰り広げています。

ホームページの経営のほか、メールマガジンの配布、書籍の出版、電話による相談、テレビやラジオ、雑誌といったメディア出演が主な活動です。

情報を収集、整備して子宮内膜症患者および全ての女性、医療関係者に対して広く提供しています。また、子宮内膜症への理解と共感を求める呼びかけを行うなどしています。

子宮内膜症の患者はもちろん、全ての女性が、より健康でより自分らしく女性らしく生きていくための基盤を作る手伝いをし、女性ならではの疾患に対する医療技術の探求を続けています。

昨今の具体的な医療技術改善活動としては、1相性低用量ピル保険適用事業の推進などがあげられます。